まず最初、ひさかたぶり恵比寿の東京都写真美術館へ『作家の現在 これまでとこれから』。展示場は石内都、志賀理江子、金村修、藤岡亜弥、川田喜久治、と五人の展示に区切られ、約100点もの作品群で埋め尽くされていました。一点ずつじっくりと時間をかけて、とはいかなかったけど、できるだけ集中して会場を歩きました。極力先入観や偏見に足を取られないように、ニュートラルな目線の先、こちらにひっかかってくるものは、、、なんて、はじめは考えながら、やっぱり特定の作家の展示の前で足が止まります。
藤岡亜弥氏の展示、近年大阪のニコンサロンや奈良の写真美術館で観たとき同様、人物、静物、光景、対象を具象的に写したものがびっしり並び、ハッとさせられるカットもあり撮り方がすごく上手いと思います。それは、特徴の一つですが、本当の魅力は、日常の中に潜む謎、普通の人の不思議さ…バラけていた点と点がつながっていくコラージュみたいな面白さがあります。また作品鑑賞が進むにつれ至近距離にブラ下がる、先日亡くなられた、地元(広島)の路上の伝説にして「存在自体がアート」だった広島太郎さんの数点のポートレート(ばかり)に、どうしても焦点があってしまう、もどかしい感覚も抱きました。
金村修氏の作品、二十八年前、初めて四谷三丁目の写真専門ギャラリー Mole(モール) に訪れた折、一階(写真集販売店)レジ後ろの壁に貼ってあった一点のランドスケープのプリント作品を観たときから、一瞬で何か来るものを感じ、「同じものが自分の中にもある」って感じで、全くおこがましいのですが、得意の思い込みを発動させ、その後もずっと影響を受けています。私にとって教科書みたいな存在。今、目の前に並ぶ多くの作品(プリント、映像、コラージュ、ドローイング)は、あの時からずっとつながって、それらが明らかに違和感を覚えることなくじっくり突きつけられた、そんな思いになりました。
(つづく……)
