火曜、昼過ぎ梅田到着。阪神百貨店で「熱視線」というイベントの最終日へ。会場では作家の熱い表現に押されるように作品が並んでいました。とにかくまずはジーと眺めて反応するか、パラパラ捲るしかありません。
とくにZINEに目が行きますが、ZINEは読むためだけじゃなくて、触ったり眺めたり作家が自分の表現を紙に閉じ込めています。 いろいろ眺めて、捲っているうちに(わたしのなかで)イメージが広がるものとそうでないものとがありました。
たかつか 著『じじいのキャップ』、ジーと表紙のドローイングを見ているとグッとくるものがあります。頁を捲る感触、チープな製本と余白、ラフさ加減がカルチャーの匂いです。本文は薄いようで濃ゆい、浅いようで深い「じじいのキャップ」のガイド的な1冊。
HAZUKI SHIMMURA 著 『壁2024』、壁シリーズの2024年ヴァージョン。このZINEに写っているのは対象です。ディテイルが立ち上がっているもの、細部が写っているもの、単なる記録写真ではなく、そこには記録という意義に制作意図が込められています。目の前の対象しか写さないという作者の信念がこの本を美しくしているのだと思います。
長本淳 著『猫城市』(九份・猴硐編) 、ホウ・シャオシェンの名作のロケ地周辺「以後の風景」に立ち会う感じになったり、完全に分離したりと様々な視点があり、被写体とカメラの距離感に最後まで惹きつけられます。
長本淳 著『猫街』(西成編)、ここでも被写体に引っ張られる、心地よさにいつまでも浸っていたい空気が定着しています。人が写ってない写真(集)なのに、とても人間を感じる写真集出版レーベル「moment」刊行の2冊。
帰り道の途中、いつものドトールの窓際席でひとり会議。今日の4冊を眺めながら、結局買おうと思う本はパッと見ただけではわからないものを一回知りたいというのと、やっぱり、「自分のなかに取り込みたい」と一寸でも思うもの、そんな感じなのかなと結論になりました。はい。
