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Thursday, February 22, 2024

......Taiwan



六日(火)大阪から飛行機で夕方、台湾桃園国際空港に到着しました。台湾へは去年の六月以来です。イミグレを通過したら、ATMで二週間分の両替とSIMカードを購入し、ヨーヨーカーのチャージも出来たら、その足で龍山寺横の宿に向かいました。

翌朝は、台北で三十年暮す叔父に会うため台北101方面へ地下鉄で行き、叔父夫婦の会社で再会していろいろと話ができました。その後夕飯に連れて行ってもらった遼寧街夜市の老舗は、私が2013年台湾初渡航時にも訪れた記憶のある円卓スタイルの海鮮料理店でした。その二階で壁に貼り付く薄汚れたポスターを眺めていたら、薄くて旨い18天台湾ビールが進みます。ジワジワと記憶に刻まれていた過去と今の思いがグッと後押しされるような気持ちになりました。店を出て小雨のなか夜市周辺を三人で散歩して握手で別れた後、この旅の半分は果したような気分になりました。

それからは、いつもの台湾北部港町の基隆へ向かいます。坂の途中に在る民家のガレージ兼倉庫を改造した民泊で今回も二週間のひとり合宿。朝からパンパン洗濯して、散歩、撮る、珈琲、画く、散歩、珈琲、、、の繰り返しを過ごせる環境です。地元の人によれば一年の三分の一は雨が降っていて雨港と呼ばれる町もほぼほぼ毎日が洗濯日和、散歩日和、撮影日和でした。

途中、基隆周辺の山の斜面にはりつく小さな家がひしめく細い路地の迷路を縫って登ったり、台中までトコトコ時間かけて區間車を乗り継いだり、風光明媚な場所にはほとんど興味は湧かなくても、台湾のローカルで持ち前の方向音痴を発動して歩いていると、ときどき怖ろしいぐらい日本によく似たシーンに出くわすことがあります。日本人旅行者の私にとって、あまりにも日本の地方のかつてのそれを見ているようで、基隆市街地や台北路地裏、台中市場あたりのその風景はどこか似ていて、全く違うというか、懐かしいと云えば懐かしく、自分自身の中にヒタヒタと染み入ってくる何かがあります。

これは過去に対するノスタルジーとかでは全くなくて、懐かしさを受けて心が動き、制作衝動みたいなものを刺激させる、その為のきっかけとして、この「懐かしさ」は大きいとしみじみ感じます。そう云うわけで眠くなるような港町でもローカルな路上でも、もはやなすべきことは、街を行ったり来たり歩いて撮影して、喫茶店や宿でただただペンで線を引く、カタチをとる手作業をする、こんな旅がまた続いて行きますように。シエシエ、ツァイチエン。