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Saturday, September 30, 2023

......Nanba,Osaka

 



写真はスーと始まり、スーと終わってしまうので、どこかで引っかかったり、どもったり、扱い難さや失敗がとても大事です。変化に乏しい写真に飽きてしまわないように、今一度カメラでも変えながら色々試して、日記みたいなスナップショットが撮れる軽量のカメラも使っています。

コンパクトなカメラは慣れてくると、目の代理として身体の一部に馴染む感じで、撮影までのいくつかの手順も最小限の労力で、この瞬間と押したシャッターから聞こえてくるそっけない音は興奮しがちな頭を冷まさせます。フィルム装填や取り出しの不備から多重露光や反復してゆく中での予期せぬ間違いは、ラッキーなミスとして積極的に呼び込んで逃したくない部分です。

そんな露光に失敗して破り捨てられそうな写真という雰囲気の中には、複数の手振り、身振り、動作が交差する人がいて、風景が在ります。日常のちょっとした光景でも、バランスが崩れるととても不思議なものに見える時があります。わざわざ珍しいものを探すより、ちょっとしたバランスの崩れ方に注目した方がおもしろい写真が撮れる時があると思います。

今も写真という縛りの中で出来る限り自分の居場所をつくりたいです。写真の中にいることは=自由でいられることなので、なんらかの目標な目的が必要になってしまうと持続できなくなります。くだらない事や無駄な時間も続いてゆくには必要で、いつも、つまずいたり引っかかったりしているから今もやってられます。頭で考えた訳でもなく、自然とそっちの方へ向かって行っています。スーと終ってしまわないように。