にがりの入ったボウルの中で大豆固形分10パーセント以上の豆乳をちゃんと撹拌して、土鍋の外釜に水を張って弱火で蒸します。底はそのまま接触しないように蒸し皿を載せます。ハシで鍋ブタの横に隙間をつくると豆花の表面が滑らかく仕上がります。30分ほど蒸したら火を消して、さらに保温状態で20分置きます。見た目がまだ水っぽく見えたらもう10分ほど保温状態で置き、粗熱を取ってから冷蔵庫へ。
夜な夜な台所に立って、湯を沸かし液体を測り撹拌して、温度管理…なんだか写真(フィルム)現像に少し似ています。思い切り美味しく食ってやろうと集中しても、失敗もあるし、物足りないこともあります。だけど料理は自分でつくって自分(と家の人)が食うのだから失敗してもやり直しがきくし、マズくても我慢して食べれば消えてなくなるので、写真と違い暢気なものです。
豆花を冷やし寝かしている間に、今日のことは忘れ、床に就いたら清々しい朝になれます。シロップはきび砂糖を使い、炒めているといい香りがしてきて、溶けたら水を入れ、そのさい急激に砂糖が固まっても気にせずシロップ状になるまで弱火で加熱してから冷やしておきます。
上に乗っけるトッピング、花生(ファシェン)=ピーナッツは殻つきを剥いて水に浸しておき、きび砂糖といっしょに柔らかくなるまで煮込みます。地瓜圓(ディーグァユェン)=サツマイモの団子はさつま芋の皮を剥いてレンジでチンしたらペースト状になるまでフォークで潰して、片栗粉と砂糖といっしょに水を加えながらこねて、棒状に伸ばしてから食べやすいサイズにカットして茹でます。他にも黒と透明の粉圓=タピオカや緑豆や仙草ゼリーやハトムギなどなど素材と気分で必要な分だけつくり、美味しくいただいたら消えてなくなる、これがいいです。