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Tuesday, July 18, 2023

......Umeda,Osaka


  

月曜日(祝日)、梅田のビジュアルアーツ専門学校のギャラリーで「VACUUM写真展」を見に行きました。ずっと路上でストリートスナップを撮ってきている写真家のグループ展です。

白黒写真で統一された会場は何故かほっとします。埋め尽くされたストリートスナップが展示空間にびっしりと並び、人物を中心に、静物、風景、、、といった対象を具体的に写したプリントはシンプルで直球だから説得力があります。このくらいストレートに路上を写せたらなと、そんな思いがこみ上げてきます。特に入口付近に目を引かれた作品があって、ハノイで撮影された越野亮介さんの印画紙の端の重なり具合(留め方)が妙に気になったり、入って右壁一面には強烈な八段掛け八十枚一本勝負的な阿部淳さんの八十年代のストリートスナップは写真集で見るのとはまた違う圧縮度でクラクラしました。

そして作品鑑賞が進むにつれ、会場内に共通する、ある空気を感じて、モヤモヤと焦点が結ばないまま既視感に似た感覚が立ち上がって消えていきます。至近距離に写真が在るにもかかわらず、どうにも焦点が合わないような、もどかしい感覚です。

普段から、わたし自身なかなか目的地にたどり着けなくて右往左往しながら、写真という装置とプロセスを使っていれば「写真なのか?」とか、最近そんな着地点のない自問自答ばかりして過ごしています。でも写真はどの地点から何度でもスタートしていいのだと、また失敗地点は新たなスタートラインにも成りえるのだと、そんなことを「VACUUM写真展」出口で思いました。