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Friday, April 14, 2023

……Tengachaya-koen ,Nishinari


 

先週くらいまで仕事の時間、休み時間のバランスが崩れ、一週間のサイクルがぐだぐだになっていました。「ありがとう21」のおかげで久しぶりに盛り上がった春の甲子園が関係していたのかもしれません。

ふと、今年の初めごろ作業部屋で印刷物の切れ端で埋まった黒いゴミ箱の中身をゴミ袋に詰め替えている時、切れ端同士のいくつかを、白い線でつなぐことが浮かびました。さらに、押し入れに放置され情けない方向へ進み出した私家版写真集の頁も重なり、一瞬、うまくいきそうなカンがしました。

そんな流れから、いつもの根拠のない思い込みだけで、行き場を失った私家版全11タイトル、写真集「旅と路上」のシリーズから本文の頁を切り取り、紙画面(全紙サイズ印画紙)、写真集本体の表紙、レコードジャケットに貼って、コラージュやブックカバーのようなもの、レコードカバーのようなものに置き換えています。こうして“端と裏”バージョンも弱々しく動き始めました。発端はいつも些細なことから静かにはじまります。

コロナ禍以降は殆ど旅に出ず、近所の西成や鶴橋あたりを散歩、撮影と切ったり貼ったりを行き来しながら、着地点のない自問自答に引きずり込まれ、選ぶ(撮る、切る)と捨てる(貼る、剥がす)がカードの表裏のような関係になりました。切り絵のような、貼り絵のような、自分の中にある拙さを感じると、なぜかホッとします。

また最近は延命作業のひとつとして、この流れのなかで何かしたいと、紙片を水に“浸けて干す”を追加しました。指先ですぐ固まってしまうボンドの塊と共に、まだまだ制作の道順(プロセス)を探しながら進めていこうと考えています。