去年の春先から二十何年ぶりにローライ35と云う小さなカメラでスナップを試しながら、平行していつも中判カメラでカラーにも挑戦しています。二十代始めから二十年以上同じカメラと同じフィルムで、同じような街を歩いて撮るを繰り返して、全くもって進歩せず、飽き飽きしていました。カメラやフィルムを変えれば写真も変わるか?と思いつき、気分転換で変化してみました。
と云う訳で何を撮るかと同じかそれ以上にどう撮るかが問題です。今日も梅田の現像所に出したカラーネガを受け取りに行き、自室に帰ってスキャンして、近所のコンビニで大きく伸ばした(刷った)コピー紙を眺めながら、つくづく「才能ないわ、」「おもしろない!」「やめたろか?」と気持ちが沈みます。誰にも何も頼まれてないのに、ある日、突然執拗に迫られた気分で、意識的に求めている時点では「なにか」は出てきてくれません。何かひとつのことを始め(変えて)、効果があらわれるまでには時間がかかり、その時間には個人差もあります。短時間で見つけたことは短時間で失い易かったり、と。
ただ、気持ちが沈んでいる時、鬱屈するものがある時、心の平穏を保つ為にも古いフィルムカメラを1、2台持っておくことはいいと実感しています。フィルムの入っていない状態でも、巻き上げて、ファインダーを覗きながらピントを合わせたり、露出を計ったり、空シャッターを切るだけでも心が安らぎます。残念ながらデジカメは持っていませんが、この安らぎはデジカメでは得られない気がします。